経緯-なぜ中越防災フロンティアがクローバーバスを運行するのか
クローバーバスが運行する山古志・太田両地区は2004年10月の中越地震で大きな被害を受け、長期間避難することになりました。同時に路線バスが運休・減便され、平成19年12月に廃止されました。代替策として「中越大震災復興基金」を活用し、4路線でコミュニティーバスが運行されましたが、期間限定の暫定処置であり、これからの地域の足の確保が課題となっていました。
震災直後に「山古志復興新ビジョン」の策定にかかわった(社)北陸建設弘済会は、平成20年4月から両地区の公共交通について学識経験者らと共同研究を開始していました。その研究をもとに提案したのが、地域の全世帯が参加する「クローバーバス」の運行でした。NPO法人中越防災フロンティアは、その提案に賛同し、最大5年の期間限定でクローバーバスの運営主体となることにしました。
クローバーバスの特徴
特徴1:期間限定でNPO法人中越防災フロンティアが運営
最大5年の期限付きでNPO法人中越防災フロンティアが運営し、その間、山古志・太田地区にあった交通のあり方を模索する。その後、地元の住民主体の組織へ引き継ぐ。NPOはいわば長期的な社会実験の担い手。
特徴2:地域内の全世帯がNPO会員
- ・地域の「足」の確保は地域全体の問題。今は車を運転している人も含め、地域内の全世帯がNPOの会員になることを目指す。
- ・NPOの会員となることで、主体的に運行計画策定にかかわる。適切な運行サービスを地域が自主的に検討。
特徴3:運営に地域特性と自由な発想を取り入れるため運賃は無料
- ・NPO会員となる地域住民の自由な発想・地域特性を運営に盛り込む。
- ・実験期間ととらえ、自由な発想を取り入れる際の枠を広げるため、運賃は無料とする。
特徴4:地域の資源・拠点施設を活用
- ・地域全体がNPO会員であることと地域の資源、および交流ツールとしてのバスを活用し、地域活性化事業に取り組む。
- ・安全性・安定性を確保しながら、地域内の力を活用(地域内雇用)。
皆さんの力でバスが走ります-スポンサー募集・賛助会員募集
クローバーバスを動かす中心は地域の方々です。しかし、いろいろな人の協力・応援がなければクローバーバスは走りません。NPOの賛助会員やスポンサーとしての協力、バスを利用した事業への協力が、活力ある地域づくりにつながります。
クローバーバスを中心に広がるこのプロジェクトを、幸運の四葉のクローバーになぞらえて「クローバー・プロジェクト」と呼びたいと思います。